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利息の天引

利息を天引(貸付額から利息相当額を差し引いた残額の金銭のみを債務者(大ざっぱにいえば借主)に交付し、返済期日に貸付額を返済させるという貸付方法)した場合において、天引額が債務者の受領額を元本として制限利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分は、元本の支払に充てたものとみなされる(本法2条)。

例えば、2004年1月1日に500,000円を返済期日2007年12月31日、利息年18%の約定で利息を天引して貸し付けるとすれば、4年分の利息360,000円(500,000×0.18×4=360,000)を差し引いた140,000円(500,000-360,000= 140,000)を交付することになり、約定どおりであれば返済期日に貸付額500,000円の返済を受けられるはずであるが、天引額360,000円は、債務者の受領額140,000円を元本として制限利率年18%により計算した金額100,800円(140,000×0.18×4=100,800) を超えるから、その超過部分259,200円(360,000-100,800=259,200)は元本の支払に充てたものとみなされるため、 240,800円(500,000-259,200=240,800)の返済しか請求できないわけである。

みなし利息

金銭を目的とする消費貸借に関し債権者(大ざっぱにいえば貸主)の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他何らの名義をもってするを問わず、利息とみなされる(本法3条本文)。これをみなし利息(みなしりそく)という。ただし、契約の締結(契約書に貼付する収入印紙の購入費用など)及び債務の弁済の費用(振込による返済に伴う振込費用など。これに対して、債権者に生ずる貸付金振込費用は、「債務の弁済の費用」には当たらず利息とみなすべきと解する見解が多い。)は、この限りでなく(同条但し書)、実費の限度では利息とみなされない。

なお、信用保証会社と貸金業者とが、実際の業務運営の在り方からみて実質的に一体と評価されるような場合に、当該信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が当該貸金業者の受けるみなし利息に当たるとされた事例がある(最高裁平成15年7月18日判決判例時報1834号3頁など)。

賠償額予定の制限

金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定(民法420 条1項。遅延損害金、遅延利息、延滞利息などと呼ばれるもののこと)は、その賠償額の元本に対する割合が制限利率の1.46倍を超えるときは、その超過部分につき無効とされる(本法4条1項)。賠償額の予定がないときは、賠償額は制限利息の範囲内で約定利率によって計算する(民法419条1項但書、最高裁昭和43年7月17日判決民集22巻7号1505頁)。

違約金は、上記の制限や下記の超過支払部分の取扱については、賠償額の予定とみなされる(本法4条3項。民法420条3項と対照)。

超過支払部分の取扱

債務者は、制限利率により計算した金額を超える利息や、賠償額予定の制限を超える損害金を任意に支払っても、その返還を請求することができない(本法1条2項、4条2項)。これは、債務者は、制限超過の利息、損害金を支払っても、その超過部分は民法491条により残存元本に充当され(最高裁昭和39年11月18日判決民集18巻9号1868頁)、元本債務の存在する限りその超過部分の返還を請求することはできないという趣旨である。そして、計算上元本が完済となったときは、その後に支払われた金額は、不当利得として返還を請求することができる(最高裁昭和43年11月13日判決民集22巻12号2526頁)。